いよいよ、明日がバイト最終日です。
と言っても、塾は続けますが。
古い友人は、塾講師をいう職をこう呼んだ。
「未来を担う子供たちに教えを授ける職」だと。
実に、良い響きだ。
まったくもって、その通りではないかと思う。
しかし、勉強ばかり出来る者が、必ず良い大人になるとは言えない。
俺は、勉強以外に大切な何かも授けるよう心がけている。
今日、塾に行って改めて「辞めないで良かった、続けて良かった」と、そう実感した。
正直、新たに生徒が入ってくれないと収入がかなり厳しいことになるが、それでも俺はこの職を続けようと思う。
生徒の一人が、「先生の授業は分かりやすい」と言ってくれたのだ。
嬉しかった―。
ただ、純粋に嬉しかったのだ。
こんな俺でも、人の役に立ったのだ。
塾講師とは、生徒の成長を目の前で実感出来る。それが例えどんなに小さな成長であったとしても。
この職の良いところは、そこではないだろうか。
俺は本来教える側の人間であるが、何か教えられるものもある気がする。
彼らを見ていると、自分が中学生だった当時の思い出を蘇らせてくれる。
バイトなのでその労働はもちろんお金という形で跳ね返ってくるが、お金以外の、歳を重ねるごとに忘れてしまっている"何か"も与えてくれる。
塾講師とは、そんな職業なんじゃないだろうか。
オレも講習生だった生徒が入塾する際に指名されたのがうれしかったよ。
なんか塾講って人間と付きっ切りで接するから社交的にもなれるよね。オレも人見知りが改善されたよ。
我々講師もいろいろ学べられるよね。
そうそう。
色々バイトやってきたけど、塾が俺には一番合ってるよ。